版築

版築


強固で耐久性のある壁や床を築く古代の建築工法の一つです。

版築の技術は竹南蛇窯の薪窯にも用いられています。1972年に創立者の林添福が築いた蛇窯は両面が頑丈な版築壁で出来ています。築窯の際、窯壁を築きながら、半乾きの柔らかい土を内壁と外壁の間に流し込み、土の厚さが10センチになると、木槌で叩きます。まずは土の中の空気を抜きます。始めはフカフカしていた土がだんだんと固く締まってきます。土を叩く力を徐々に強めていくと、土は固く引き締まって、叩いてももう沈まない様になります。このように必要な高さになるまで一層ずつ重ねていきます。こうして出来上がった版築の層は、一塊の巨大で強固なレンガの様になります。

版築の層により厚みを増した窯壁は、断熱の性能だけでなく、窯全体を頑丈で変形しにくくします。また火の番の者が窯の熱で汗だくなる様なこともないのです。版築の層は窯の蓄熱性を高め、温度を迅速に上げるので、竹南蛇窯が高温で焼ける秘密の一つでもあります。また窯の圧力が版築の層より地下に逃げるので、窯がより安全で安定したものとなります。