國際交流

上村慶次郎 / 日本

                      上村慶次郎 / 日本

                       駐村時間: 2017

 


日本の熊本よりやって来た上村慶次郎は、
71日から9月末まで、三ヶ月間の台湾陶芸交流の旅を展開した。


上村の集中力と真面目な創作精神には敬服する。無心に努力を惜しまない職人の精神を十分に現している。朝
7時から夜11時まで、10数分間の食事の時間を除いて、ほとんど休みを取らず、一日で二日分の仕事をした。ろくろ、手ひねり、レリーフ、彫塑、絵付けまで、すべての生命力を創作に向けているようであった。

彼は元はインテリアデザインを学び、挿絵を描いていたことから、相当な絵の基礎がある。巡り合わせにより、陶芸を学ぶことになったが、その道のりは容易ではなかった。ミニ窯の大家である吉田明に師事した他は、ほとんど独自に模索し、新潟や沖縄へ移り住んで、窯場での仕事を宿と引き換えに、またはアルバイトと引き換えに陶芸を学んだり、陶芸を学ぶために自称「夢追い人」となった。陶芸への夢を追い続けた結果、2006年に初の個展を開催し、その後は熊本県立美術館での展示発表を随時行う。
 

彼の作品にはレリーフの金魚や龍、立体に彫塑した鳥類、人物などが多く登場する。人物の絵付けや魚皿など、現代的な生活陶器を日本から持ち込み、皆さんにお見せする。レリーフの金魚は上村の得意技であり、彫塑をするために、長い時間をかけて観察した金魚は、あたかも水中を泳いでいるようである。この度の来台では、初めて超高温の薪焼きにも挑戦する。竹南蛇窯特有の高温薪焼きの落灰が、上村の金魚を生き生きと活かすであろう。

「流動」と称したレジデンスの成果展は、彼曰く「窯の中で自然の釉が金魚に流れかかって、本当に水の中を流動しているようなんだ。」