竹南の蛇窯
スペース紹介

陶屋

竹南蛇窯の入り口、手作り陶器や小物の販売店、陶磁史の書店、ハンドドリップコーヒー。

 

失われた古窯



台湾でそれぞれの時代に陶磁器を焼いた窯には、台湾社会文化と陶磁産業の変遷が見て取れる。これら台湾で失われつつある伝統古窯は台湾の陶磁発展のゆりかごとも言え、文史調査や研究出版から実体の復元まで、「失われた古窯コーナー」では台湾陶窯の歴史を展示し、重要な教育資源とする。

窯の分類

窯の形
包子窯、蛇窯、登り窯、四角窯…
燃料
薪窯、石炭窯、重油窯、電気窯、ガス窯
直炎式、横炎式、半倒炎式、全倒炎式

瓶窯

瓶窯はその外見から命名された。
直炎式の火の通り道で、台湾で珍しい。初期に耐火レンガを作っていた。ヨーロッパでは瓶窯は食器やタイルを焼いていた。

包子窯

包子窯は俗に「瓦窯」とも言われる。北部では「包子窯」と呼ばれる。それは土で覆われた窯が遠くから見ると大きな饅頭のように見えるからだ。窯の頂上を瓦で覆った亀の甲羅のようなに見える窯は南部で「亀の子窯」と呼ばれる。主に窓飾りの薄レンガ瓦などの建築建材を焼く。火路は半倒炎式で燃料は木材と籾殻を主とする。

円窯

「円窯」はセイロ窯や輪窯とも呼ばれる赤レンガを焼くための連続した窯炉で、のちに大型化した「八卦窯」がある。園内には縮小化したものが文化教育の役割と休憩のために「円椅」としてある。

文化窯

「文化窯」は黒瓦窯とも言われ、窯炉の外観が犬の頭のような形をしていることから、「犬頭窯」とも呼ばれる。日本ではダルマが座っているように見えることから「達磨窯」とも呼ばれる。主に日本式の文化瓦を焼く。
日本統治時代は台湾で多くの日本家屋が建てられたため屋根に使う黒瓦の需要があった。一時期は隆盛を成し、造橋には黒瓦窯があった。産業の没落に従い、黒瓦窯も歴史の列に入った。
伝統的な黒瓦窯は石炭を使い、両側に石炭の投入口があった。焼成の最後には水をかけて、窯の内部に大量の黒煙を発生させ、瓦を黒く燻したのである。

交趾窯

交趾窯は台湾の寺廟建築の装飾に使われる。多くは神話伝説や民間の物語で、低温で彩釉をかけた軟陶である。
現在交趾陶を制作するには電気釜が用いられるが、その昔は寺の前に窯を築いてその場で寺の装飾物を焼いた。寺が完成すると、窯は取り壊された。台湾の伝統薪焼き交趾窯はすでに継承が途絶えている。

薪焼き創作窯

化十窯

1997年、竹南蛇窯の窯主、林瑞華は父親の経験を受け継ぎ、自ら設計した高温薪焼き窯を耐火材で築いた。蛇窯と穴窯の特色を併せ持ち、窯を小さくして温度調整を容易にした。薪焼きの温度を突破するために、如何ようにも変化する質感を掌握し、1447℃の高温を記録した。
化十窯の名は林瑞華の華の字の簡体字である化十を由来とする。それは窯主が愛好する化石の発音と同じで、化石と同じように美しい焼き物を作るということから化十窯と命名した。

如意登り窯

「登り窯」は苗栗伝統窯炉の特色で、またの名を「目子窯」と呼ぶ。竹南蛇窯の如意登り窯は伝統的な登り窯と現在の薪焼きを融合した窯で、林瑞華が設計し構築した、3つの窯室を改良した登り窯である。
半倒火炎式の火路で窯の手前が焼き終わると第二、第三の窯室で「側焼」ができる。どの部屋も異なる温度調整ができるのが最大の特色である。林添福は何事も如意にとこの窯に命名した。

方華窯

世界最高温の薪焼き窯。
伝統的な「四角窯」は正方形の外形に窯の下には地下煙道があり、「全倒炎式」の火の通り道は人類火の文明の最高技能である。方華窯は石炭を燃やす四角窯を改良し、高温薪焼きのために設計した。ひとつひとつ自ら築き上げた窯の最初の窯焼きでは2012年6月24日に1418℃を記録した。さらに2016年には「薪焼き窯の最高温度」ギネス世界記録、1563℃を記録した。

展示空間
林添福の常設館と薪焼き高温焼締めの特別展示室があり、
台湾の民間陶磁芸術から現代薪焼き高温焼締めまで陶芸創作の生活美学を展示する。

十一学陶芸教室

竹南蛇窯の陶芸教室、手作りワークショップなどのスペース。ここで互いに交流し、土の芸術を共に探索する。