釉母
「釉母」は陶磁の全く新しい概念で
簡単に言えば、釉薬の母、源であると言う意味だ
さらに深めると
人類が知るこれまでの陶磁の範疇を超え
さらに上を目指し陶磁のあらゆる可能性を模索するということである
陶磁というのは土の許容範囲内で
土の質感の美、造形の美
釉薬の表現を追及する
簡単に言えば、4000年来の陶磁工芸と芸術は
全て燃焼室以下の焼成室の低温の場所で
色艶の美しさ、安定した安全性、焼成率の高さを追及し
そこから各種の名釉や様々な様式の陶磁文明が発展したのである
林瑞華の「釉母」は
燃焼室の「窯変」の範疇を超えて
地球内部の方向へ向かい
鉱石や玉石、宝石、水晶の質地の美しさを探求した
高温薪焼きを通して自然の土は
「変質」の芸術に到達する
安定した焼成率や胎土表面の釉色の追及ではなく
土の無尽の極致にある美を開拓することである
いうなれば釉の起源
原始的な状態に立ち戻るということである
千差万別な質地の美は人を魅了する
一言で表すのは難しいがこれを総じて
「釉母」と命名する