その昔日干しレンガはとても可塑性のある建材でした。様々な用途や物体の構造によって型を作り、異なる形やサイズの日干しレンガを製造することが出来たのです。昔の人は日干しレンガを作る前に、牛を引いて土を踏ませ、水を加えながら、まんべんなく攪拌したのです。土は粘性のある砂の少ない粘土を選びます。適度な粘りと水分に調整出来たら、日干しレンガを型取りします。
竹南蛇窯全体には3000個の日干し煉瓦が使われています。窯のアーチ構造は日干しレンガの形状によるものです。窯の必要に応じて異なる形状の日干しレンガを型取りしました。例えば蛇窯の窯壁には長方形(36x24x9cm)のレンガを、窯のアーチ部分は台形のレンガを使います。造築の必要に応じて異なる型を設計します。初期は木製が多かったですが、竹南蛇窯に残る型は、鉄製の枠に、型を外す木の板が付いています。半世紀の年月が経っていますが、日干しレンガの型は現在も使うことができます。